ベガ工房

ベガ工房

住むひとと住まいに合わせたデザインと機能性

建具・家具から、取手やスイッチなどの小さな部品づくりまで、ベガハウスは手がけています。
家具や建具の、その名のとおり住まいの大事な具材。既製品や量産品で気に入ったものがなければ、
住まいと住み手に最適なデザインを考え、一つずつ丁寧につくることが家づくりのあり方だと考えます。

2016年4月2日
T邸オリジナルデザインの「ラウンドソファ+テーブル」その3〈完成編〉

完成しました。リビングの中心にオリジナルデザインのラウンドソファと円卓を据えたT邸。ベガ工房ワークショップが行なわれる 直前にすでに引き渡しが行なわれたのですが、Tさんのご厚意で完成検証ワークショップを行なわせてもらいました。

奥さまに迎えていただき、玄関からリビングに到達するまでの時間と空間をじっくりと楽しんでから、2年越しで取り組んできたソ ファとテーブルに対面。デザイナーの村澤一晃さん、満面の笑み。
オリジナル製作したスタンドに取り付けた、アッキーレ・カスティリオーニの照明器具「フリスビー」との相性も上々です。T邸を取材したインテリア雑誌の編集者の方も、「この照明をこんなふうに使うのは初めて見た」と感心されていたそうです。

丹念につくりあげたソファの座り心地を確かめます。座面の高さ、足のつき具合、テーブルの高さと距離の関係、そしてTさんがこだ わった胡座を組んでの座り心地。会心の出来上がりです。Tさんに招かれたお客さまは、くつろいでくるとフローリングに座ってソファの背に寄りかかったりと、それぞれ思いのままにくつろがれていたそうです。Tさんもご満足で、お父さまにも好評だったそうです。

水盤と豊かな緑が美しい中庭を眺め、視線を上げれば吹き抜けの大らかな空間がひろがる。ここは、Tさんがご自身をもてなす場であり、家族をもてなす場であり、お客さまををもてなす、まさにT邸の中心です。

ソファとテーブル、照明、そして住まい全体をあらためて拝見してからいったん引き上げて、夕方にふたたびT邸を訪ねました。夜 になって照明を灯した空間を確かめさせていただくためです。夜は夜で、見事に光の演出がなれていました。
このときは帰宅されたTさんもいらして、ソファに座って歓談のひと時を一緒に過ごすことができました。

完成してから始まる家づくり。ラウンドソファともども、末長いおつき合いをよろしくお願いします。

2015年7月23日
T邸オリジナルデザインの「ラウンドソファ+テーブル」その2

内装工事が着々と進むT邸の現場で、ラウンドソファ+テーブルのワークショップを行いました。

すでに床工事を終えたフローリングは養生され、ソファを設置する円形スペースがぽっかり掘り下げられています。中央には基礎に据え付けられたスチール製のテーブル脚。そこにウォールナットの天板を仮置きして、1/8ピースの試作ソファを設置します。

デザイナーの村澤一晃さん、製作していただく園田椅子製作所の園田勝志さん、股旅社中のメンバー皆さんと共に、ベガハウス全員でオリジナルデザインのソファとテーブルを検証。引き渡し前のチェックは本日が最終となるため、現場はぴりっとした緊張感に包まれます。

ソファ、テーブル、ペンダント照明の仮設置がおおむねでき上がったところで、嬉しい予定外の出来事。仕事の途中でたまたま近くを通りかかった施主のTさんが奥さまといっしょに現場に来てくださいました。絶好のチャンスとばかり、ちょっとお時間をいただきワークショップに参加していただきました。ご本人による現場チェック、これ以上の検証方法はありません。

ソファ座面の高さと傾斜、背もたれの高さと角度、テーブルの高さと天板下のゆとり、ソファとテーブルの距離、ペンダントの高さ..。半年間にわたって積み重ねてきたデザイン、設計の微調整を行い、Tさんの居心地の良さを生み出す最適設計の最終確認ができました。

Tさんが帰られた後は、設置・施工状況をシミューレーションしながら、最終仕様の調整を行います。このあとは本番。村澤さん、最終チェックの取りまとめをよろしくお願いします。園田さん、製作よろしくお願いします。Tさん、オリジナルデザインのソファとテーブル、完成を楽しみにしてください。

2015年7月23日
「ものづくりの木造校舎」プロジェクト

住む人に合わせたデザインと機能性を突き詰めるために、既製品の家具や部材で納得のいくものがなければ自分たちで作ろう。住まいと住み手にとって最良なものを丁寧につくろう。
そんな発想、取り組みが、このページで紹介している「ベガ工房」です。従来の工務店の枠にとらわれずに、家づくりの可能性をひろがりをめざしています。

家具デザイナーの村澤一晃さんとのワークショップが定期的に実施されるようになり、家具や建築部材のオリジナル製作が増え、ベガ工房の取り組みに一つの流れが見え始めた頃から、実際に製作・加工をするための「工房が欲しい」と考えていました。
最終製品をつくるための工房ではなく、手を動かして、試しにつくってみて、デザインを考えるための工房です。

その工房づくりのプロジェクトを正式に立ち上げました。題して「ものづくりの木造校舎」プロジェクト。
加工機械や道具を使う工房だけでなく、家づくりに関することすべてについて工房的に取り組むために、ベガハウスの新しい拠点づくりをめざします。

このプロジェクトには、スタッフ全員が参加します。そして、ベガ工房に関わってくださっている社外の皆さんにもお声がけさせていただきました。
キックオフミーティングには、デザイナーの村澤さんをはじめ、造園家の荻野寿也さん、新しい工務店のあり方とより良い住まいづくりを共に考える各地の工務店に方々、ベガ工房製品の製作や素材づくりに関わってくださっているメーカーの皆さんに集まっていただきました。

まずはベガハウスから、これまで社内で揉んできた全体プランのプレゼンテーション。それをたたき台にして、分科会、全体会を数回繰り返し、さまざまなアイデアを出し合いました。総勢40名のビッグミーティングでしたが、おかげざまで活発な議論が行なわれ、プランの方向性や具体的なアイデアの広がりを得ることができました。

そんなに遠くはない将来、ベガハウスの「ものづくり木造校舎」を皆様にお披露目できることをめざしています。

2015年4月21日
T邸オリジナルデザインの「ラウンドソファ+テーブル」

Tさんご夫妻がリビングでいちばんこだわっているのが円形ソファ。
現在のお住まいのお気に入りの場所であり、住まいの中心。ベガハウスで建てていただく新しい住まいでも、こたつとしても使えるラウンドソファ+テーブルをリビングの中心に設けたいとのこと。さらに、高齢のお父様のへの配慮もプラスします。

現在お使いのソファは市販のもので、Tさんご夫妻はお気に入りですが、お父さんの足腰だど長くは座っていられず、いつもすぐに帰ってまうのだとか。そこで、お父様にも気に入ってもらえるよう、掘りごたつタイプで製作することにしました。

前回、Tさんにはソファのご要望について、事細かにヒアリングを行いました。そこから村澤一晃さんがデザインを起こし、今回はラウンドソファの1/8ピースを試作。使い勝手をさまざまに検証するために、再びTさんに来ていただき、試作検証ワークショップを行いました。

まずは座り心地をチェック。座の硬さ、背の硬さ、ファブリックの触りごこち、座と背の角度など。ちゃんと座ってみたり、胡座を組んだり、のけぞったり、くつろぎの姿勢のいろいろなパターンで座り心地を確かめます。

つづいて、ソファとテーブルの関係を確かめます。食事をするときとくつろぐときの両方を想定して、ソファの座面高、座部の奥行きサイズ、テーブル高さ、ソファとテーブルの距離を検討。より実感を伴って検証できるよう、テーブルの上には器や焼酎の瓶をしつらえて気分を盛り上げます。

また、背の後方から背をまたいで腰かけるときの使いやすさや、円を構成する分割数の検討など、施主のTさんご夫妻、デザイナーの村澤さん、ベガハウスの面々で、じっくり時間をかけてソファのデザインと使い勝手を検証しました。

お客さまの思いをオリジナルデザインに込めて、このあとは技術的な検証を行ない、実製作に取りかかります。T邸リビングの真ん中に設置される、オリジナルラウンドソファの完成が楽しみです。

2015年4月20日
「持ち出しペンダント」と「後付け間仕切りシステム」

完成間近となったK邸の現場で開催されたベガ工房のワークショップ。家具デザイナーの村澤一晃さんとベガハウスのスタッフが集まり、新作2アイテムについて完成品の検証を行いました。

一つ目のアイテムは、「持ち出しペンダント」。吹き抜け天井など、頭上の空間をすっきり眺めるためにコードを天井から吊り下げたくないときなど、壁に持ち出しのアームを設けて吊るすペンダント照明です。
ベガ工房では、先に木製のスイングアームペンダントをつくりましたが、持ち出しの長さが1mかその程度であれば、すっきりとした固定式の金属アームのほうが良いという、村澤さんからの提案で製作がはじまりました。

意匠も構造もシンプルに。シンプルに仕上げるためにこの製品で工夫したことは、アームの固定部分を隠す木製カバーをビス止めせずに取り付ける方法を考えたことです。ビス止めすれば話は簡単ですが、どんなに小さくてもビスの頭が見えるようにはしたくない。そこで採用したのがマグネット。カバーの裏側に取り付けたマグネットが座金に付いてカバーが固定されるというものです。

すっきり美しく設置された様子を確認して、「持ち出しアームペンダント」の完成を確認しました。

K邸でもう一つ開発したのが、「後付け間仕切りシステム」。上吊り式のパネルを掛けるためのレールです。ポイントは後付けで簡単に設置することができ、かつ、仕上がりが美しいこと。ペンダントのアームと同様、ビスが見えるような仕上げはNGです。

村澤さんと考えたのは、壁面に鉄製の台座をビス止めして、レールとなる角パイプと台座の間にウォールナットのパーツを咬ませて留め具や接合部分を隠そうというものです。現場で実際に施工性と仕上がりを確認。問題はありません。考えたとおりに設置できました。施工性が良好であることに加えて、レールの両端のウォールナットのパーツがいい感じのデザインアクセントとなっていることが確認できました。

2014年12月17日
木のアームが旋回する「スイングアーム・ペンダント」

2011年のショーホームとなった「みちくさの家」。大型テレビの対面に造作の低座ソファを配した畳リビングは、庭とつながった気持ち良さに包まれる、住まい手のお気に入りの場所。夜はほんのりとした照明でゆったりとしたくつろぎの場になっているのですが、ソファに座って本を読むときにあかりが足りないといった不都合が。

現状の雰囲気を残しながら、必要なときにちょうどいいあかりを得るにはどうしたらいいか。そこで、家具デザイナーの村澤一晃さんに相談して出てきたアイデアが、スイングするアームを壁に取り付けて、照明器具に昇降するしくみを持たせようというもの。

アームの長さは約2.2mで、これを木で製作します。難関は、このスイングするアームを壁に取り付けるための台座。かなりの強度と、すっきりとしたデザイン、スムーズなスイング動作が要求されます。鉄工メーカーの協力を得て、台座も何回か試作を重ねました。

シェードは鋳物の真鍮製。小さめで大人しいフォルムですが存在感は充分にあります。このシェードを上下させるためのバランサーはウォールナット製。開発の過程で必要な重さを割り出し、その数値を満たすような大きさを割り出してもらいました。

月に1回開催のワークショップでこの照明にとりかかって1年近くが経過。アームと台座の強度、スイング機構の検証からはじまって、ペンダントの昇降、器具の選定など手間ひまをかけ、試行錯誤を重ね、ようやく完成しました。「みちくさの家」に完成形が取り付くと、まるで始めから取り付いていたような自然なおさまりです。自然なおさまりということが何より良いことで、なにより難しいものです。

ちなみに、完成形ができ上がるころ、スイング機構を持たせた台座で新しいアイデアがうかびました。今回はこれで完成ですが、「スイングアーム・ペンダント改」の制作が間髪入れずに始まるかもしれません。

2014年12月17日
無垢板材と鉄でつくる「壁付け造作ベンチ」

家具デザイナーの村澤一晃さんのデザインで、壁付けの造作ベンチのデザイン開発に取り組みました。座と背は無垢板材を使い、これを鉄のフレームで支えて、鉄のフレームは建築の構造体にがっちり取りつけようというものです。

まずは座り心地の検証。村澤さんの設計図面をもとに用意した、座り心地シミュレーション試作品を用意。座面の高さ、奥行、傾斜角度、背板の高さと角度を調整しながら最適な座り心地を探ります。ワークショップの参加者がそれぞれの意見、感想を述べますが、体格差や好みの違いによる評価をどう反映させるかが考えどころです。

開発が進んで、鉄のフレーム構造体を使っての試作チェック。前回の試作で調整した座面と背板の座り心地を確認すると共に、鉄のフレームの見栄えもチェックします。想像・期待していたとおり、なかなか精悍な印象です。思っていた以上に確かな強度、剛性が確かめられたうえで、村澤さんは試作のフレームに線を入れて、さらにスリムな仕上がりへとラインをシェイプアップします。

つづいてのワークショップは、初号製品採用の取り付け現場にて。
座面の高さと壁面からの突き出し距離を慎重に確かめて、取り付け位置を決定します。実際の住空間とのなじみ具合も良好です。
そして、引き渡し直前の現場でもう一度確認。仕上げがほどこされた内装とテーブルとの相性も良く、上出来の「壁付け造作ベンチ」が完成しました。
省スペースのダイニングにちょうどよく、座が宙に浮いているので、床掃除がしやすいのも特長です。長く使って木部の補修が必要になったときには、座板・背板が容易に取り外せることも考慮されています。家具デザイナー、お客さまの声、木工メーカー、鉄工メーカー、ベガハウスの設計施工担当が共同でつくりあげたベガファニチャーです。