2階リビングのメリット・デメリットを知って、将来の暮らしを想像しよう。

今回は、空に近く、開放的だと言われている2階リビングについて考えていきたいと思います。

2階リビングのメリット・デメリットを知ることは、実はとても大切。採用する、しないに関わらず、将来の暮らしを考える良いキッカケになるからです。

まずはメリットから、じっくりご説明します。

2階リビングのメリット

遠くの景色を取り入れやすい

周辺の土地の緑を取り込む

1階だと、道路や他のお家があって、なかなか遠くの景色を楽しむことは難しいです。なので、敷地内にお庭を設けたりして緑を愉しんだりするのですが、広いお庭を確保しにくい狭い土地、住宅密集地では難しい。

でも、緑を楽しむことを諦める必要はないんです。2階リビングは、緑を楽しみたいけど、便利な街中にも住みたいと思うご家族への、一つの解決策です。

近くに公園があれば、その緑を眺めるように。周りの家と家の隙間から空が見えれば、そちらに向かって窓をつくったり。高台であれば、遠くの山の稜線を眺めるように。2階に上がることで、切り取る景色に幅が広がります。

狭小地でなくても、遠くの景色を取り入れるために2階リビングにすることもあります。遠くに山の稜線が見えれば、自分のお庭に植えた植栽と繋げてみたり。シンボル的な山(鹿児島は桜島!)をめいっぱい眺めるために大きな窓を設けてみたりします。

桜島を切り取るピクチャーウィンドウ

番外編としてご紹介したいのが、、、
景色ではないですが、坂道に面したお家で、3軒下った所の家が見える場所に、小さな窓を設けた2階リビングのお家があります。何が見えるかというとご実家。遠いので顔がはっきり見えるわけでも、話が出来るわけでもないのですが、お家の灯りが点いたり消えたりする様子が伺えます。そんな生活の風景が見えるのもいいですよね。

住宅街でも光を取り入れやすい

リビングは明るい方がいいですか?大半の方が明るい方がいいと答えますよね。
住宅地ではお隣のお家の影が自分たちの敷地にもかかってきます。そして当然ですが、低い位置の方が影の影響は大きいですね。そこで、明るくしたいリビングを単純に2階にもってくる。はい、単純です(笑)

光たっぷりのLDK

狭小地での駐車場を確保するのに最適

当然ですが車が入ってくるのは道路から。敷地の道路側には車を停めるスペースが必要です。鹿児島では車を持たないお家はほとんどありません。最低でも2台分は確保したいところ。

でも、お家を建てる敷地が広いとは限りません。駐車場スペースにも限りがあります。そんな時に、2階をリビングにして1階をビルトインガレージにしてしまえば、車庫を確保しつつ、住宅面積もとれます。

更には雨にぬれずに玄関へ行けるという+αのメリットも付いてきます。

2台分のビルトインガレージの上がLDK

鹿児島市内は坂道が多く、平坦な場所が少ないです。狭小地も沢山あります。先日、福岡の工務店さんと話をしたら、意外なことに狭小地の経験はうちの方が多いという結果に。

ちなみに施工実績のある最小の敷地面積は18坪!もちろんビルトインガレージで、リビングは2階です。

通行人を気にせず、カーテンを開けて過ごせる

2階なので、通行人の目線はあまり気になりません。あ!流石の窓際に行けば通行人と目が合うこともあるので、目隠しや窓の配置で工夫しましょう!(一つ上の写真にある2階の窓にある木塀は落下防止を兼ねた目隠しになってます)

工夫次第で平屋のような暮らしができる

生活の主たる部分を同じ階にしてしまえば、1日の殆どを1フロアで過ごせるので、平屋に住んでる感覚に近くなります。

2階にリビングを持ってくる場合、リビング以外のお部屋も一緒に2階にもってくればそれが可能です。1回階段を上がれば、2階に平屋が待ってる!

2階リビングのデメリット(回避可能)

家事動線は「水平動線」が基本

良い家の条件の中に必ず入る項目だと思うのが、家事がしやすい!家づくりを考えるときには、こだわりたい項目ですよね。特に気を使いたいのが、

“洗濯動線”「洗う→干す→たたむ→しまう」

間違えて、この動線が「上下動線」になってしまうと、一気に家事が大変なお家になります。

例えば、1階で洗濯して、2階のベランダで干して、たたんで、1階の寝室のクローゼットにしまう。洗濯物を持って、階段の昇り降りって大変。

浴室・洗面脱衣室・物干し場・WICはセットにして、1階に配置するのか、2階に配置するのか決めることがベストです。やむを得ず分けないといけないときでも、上下移動が1回で済むようにしたいですね。

家族構成や暮らし方で1階2階に配置する部屋を考える

メリットの所でも説明しましたが、生活の主たる部分を1フロアにまとめると、一気に暮らしやすくなります。では、“生活の主たる部分”って一体何の部屋なの?その答えは家族によって異なります。以下に2つ例をあげます。

  • 例1:家づくりの時、既にお子様が大きい時

現在の住まいで一人部屋を既に持ってる場合も同様だと思いますが、このご家族にとっては子どものプライバシーを確保するということもポイントになってきます。その場合は、子ども室を“生活の主たる部分 ” から外して、1階に持ってくるのもありですね。

  • 例2:家事をしながら子どもの様子が分かるようにしたい時

この家族の場合は、LDKと子ども室で視線が通る方がベストです。なので、例1とは異なり、子ども室も“生活の主たる部分”ということになり、それ以外の部屋を1階に持ってきます。

例えば、水回り(洗濯動線は崩さない)だったり、寝室やご主人の書斎だったりが1階に配置する部屋の候補になりますね。

ここを見誤って、家族に合わない間取りになってしまうと、暮らしにくい家に早変わりしてしまいます。要注意です!

2階リビングのデメリット(不可避)

こればかりは、どうしてもデメリットでしかないです(泣)

階段の昇り降りが大変!

リビングが2階ということは、家に帰ってきて必ず階段を上ることになります。毎日階段。出掛ける時も階段。お客様が来ても階段。。。。若いうちは大丈夫でも、老後は不安です。

でもデメリットをちゃんと理解すれば、対策は出来ます。ここでの対策は、最初のプラン作成時に、必ず検討することがあります。将来的にホームエレベーターを設置できる場所を設けておくこと。

いざ、改築する時に最小限の工事で出来る様な構造にしておけば、工事期間も短く、費用も抑えることができます。将来への備えは、今から考えておいた方が得です。損はしません。

将来の暮らしを想像しましょう

メリットを活かしつつ、注意点を守って、デメリットにはしっかり対策案を考えておけば、将来までも不安の少ない暮らしが想像できます。

おじいちゃん、おばあちゃんになったら、エレベーターで2階までブーンっと上がって、上がったらそのままお料理して、夫婦揃ってご飯を食べる。

外の景色を眺めながらくつろいで、お風呂に入って就寝。最初は子ども達が使ってた2階の部屋が夫婦の寝室。1階にあった主寝室は孫を連れた子ども達が帰ってきた時の部屋。

なーんて素敵な暮らしが見えて来ませんか?

そのためには最初にしっかり考えておくこと。殆どの人は家づくりは一生に一度ですもんね。

実の所をいうと、ここで説明した考え方は2階リビングに特化したことばかりではありませんよ。平屋でも1階リビングの2階建てでも、3階建てでも同じことがいえますから。。。ご参考に。

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