去る4月17日、新建(シンケン)ハウジング主催による「伊礼イズム体感ツアー」で、全国各地の工務店・設計事務所17社と、建築家・伊礼智さんが来社されました。今回は、そのツアーの様子をレポートいたします。
目次
はて?新建ハウジングってなに?
新しく建てると書いて、シンケンと読みます。鹿児島で家づくり界隈でいうと、“シンケンスタイル”さんを思い浮かべる方も多いと思いますが、あちらとは全く別の、新聞社です。新建ハウジングは、長野県に本社のある新建新聞社が発行する住宅・不動産情報に特化した専門誌で、特に「地域のつくり手」にフォーカスした内容が充実しています。
へー、・・・伊礼イズムって?
伊礼智さんは、“住宅建築家”。つまり、一般住宅を主戦場とする建築家です。伊礼智設計室の代表で現在60歳。エコビルド賞を受賞した「9坪の家」、「町角の家」をはじめ、著名な建築を多数発表しています。ご著書もたくさんあるので、これから家づくりを考える方は覚えておいて損はないお名前ですよ。
ベガハウスも伊礼さんには大変お世話になっていて、かれこれ10年近いお付き合いになります。
伊礼イズム体感ツアー(4月17日-18日)概要
3回に分けて開催される今回のツアー。第1回となる今回は、1日目にベガハウス、2日目にシンケンスタイルさんを回って、それぞれの建築事例などを見るようです。・・・シンケンさんがどんなツアー内容だったのか、とっても気になるところです・・・ブツブツ。
4月17日のツアー内容をご紹介します。
「よそはよそ!うちはうち!」と子どもの頃によく怒られましたよね。気を取り直して、弊社で行ったツアー内容をご紹介します。
12:30-「下荒田のスキップフロア」見学
まずご案内したのは、弊社の建築事例「下荒田のスキップフロア」です。すでに引渡済みのお宅ですが、施主様のご厚意で見学させていただけることに。30人以上が大挙して押し寄せたので、びっくりされたことと思います 汗。
おかげさまで、狭小地でも豊かに暮らせるスキップフロアの設計手法を見ていただけました。
見学された方からも「細部まで仕上がりがきれい。やはりこういうところが大事ですよね」と嬉しい言葉をいただきました。
ちなみに、スキップフロアについてまとめた記事もありますのでご参考までに。
敷地面積、延べ床面積どちらも約27坪。各フロアを6段の階段でつないでいて、下から順に
洗面所→ダイニング→リビング→書斎→子ども部屋
の5層構造になっています。
狭小地&住宅街では植栽を楽しむことが難しくなります。このお宅では各階を貫く背の高い樹木を敷地内に植えて、かつ格子を上手に利用することで、外部からの視線を交わしつつ、緑を楽しむ工夫を施しました。
14:00-本社社屋&ベガ荘見学
つづいて、場所を鹿児島市石谷町に移しまして、本社社屋と、本社敷地内にあるベガ荘の見学です。
まずはベガ荘から。
ベガ荘は、ゲストをもてなしたり、インターンシップの学生が宿泊したりする、ベガハウスの“離れ”のような、“ゲストハウス”のような、そんな建物です。
https://www.vegahouse.biz/case/detail_vegasou.html
グループでの食事にピッタリの造作のソファベンチとテーブル。
桜島溶岩を使った土間仕上げなど、延床面積約17坪でも開放的で過ごしやすい工夫を見ていただきました。
次は社屋。
2階の事務所では、見学の皆さんへサプライズを用意!
事務所の特徴でもある大型黒板に、吉村順三さんの作品「吉村山荘」の主要図面を描きました(伊礼さんは、シンプルを追求した住宅建築の大家である吉村順三さんの流れを汲む方なのです)。弊社の若手中心に仕上げたこの黒板。伊礼さんにも喜んでいただけました。
※伊礼智さんのfacebookより
サプライズと言えばもう一つ。
見学の方へ会社案内の小さな資料を用意したのですが、実はこれ1枚の紙でできていて、裏面には
※伊礼智さんのfacebookより
見学に来ている皆さん一人ひとりへのメッセージを書いていました!この隠しメッセージ、書いている最中は「気づかれなかったらどうしよう?」とヒヤヒヤしていましたが、見ていただけて良かったです 笑
その他、造作建具や家具を作成する木材加工場、実寸のモックアップを使って設計検討をする工程を体験いただいたりして、大工と共に家づくりを行う弊社のスタイルをご説明しました。
一通り見ていただいたらコーヒーブレーク。
普段は家具の搬入用に使っている、通称「パン号」を移動販売車に見立てて、春空の下コーヒーをお出ししました!
鹿児島の伝統菓子・あく巻きに、伝統料理さつま揚げを添えて。
一息ついたら、次は座学です!
15:00-伊礼智さんによる講話(設計の標準化について)
座学、前半は伊礼さんが長年取り組まれている“設計の標準化”についてのお話です。標準化と聞くと、マニュアル化のようで響きが悪いですが、料理人における“下ごしらえ”のようなもの、とご説明されていました。
どんな料理も、下ごしらえがしっかりしていなければ、美味しくはならないですよね?素材によって最適な下ごしらえの仕方が違って、その一つひとつをルールとして徹底する。それが“設計の標準化”なんです。
伊礼さんのこれまでのお仕事の中で、この“設計の標準化”にいかに取り組まれてきたか。具体的な建築事例と共にご説明いただきました。詳しいお話は、その場に居合わせた人だけの特権ですので伏せますが、とても勉強になるお話をコンパクトにまとめていただきました。
16:00-伊礼さん&八幡(弊社代表)&三浦さん(新建ハウジング代表)によるトークセッション
後半は、弊社代表の八幡と、新建ハウジング代表取締役社長の三浦さんも加わりトークセッションに。三浦さんにファシリテーターになってもらい、
・ベガハウスの概要と現在に至るまでの経緯
・伊礼さんと八幡の出会い
・伊礼さんから見たベガハウスの印象
などの話を引き出していただきました。
ベガハウスの今後の展開についても話がありましたが、これはまたしっかりとお話できるときに改めて・・・!
そんなわけで、「伊礼イズム体感ツアー」1日目は終了~!
全国から17社参加、総勢30名以上の来客。しっかりとおもてなしできるかな?満足いただけるかな?という不安の中、嵐のように過ぎ去った1日でした。
現場からは以上です~。
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※ご予約は希望日の前日までにお願いします。