11月1日、日曜日、少し雲がありますが、とても過ごしやすい陽気の鹿児島。毎月第一日曜日はアフター定期訪問「ベガイク」の日です。
「ベガイク」は、8ヶ月おきにお施主さま邸を拝見させていただいて、家の状態を確認したり、メンテナンス方法をお伝えしながら、ともに家を育てる、ベガハウスの活動です。
この記事では、お施主さまから「暮らしの所感」をお聞きしています。家づくり中に感じたことや、実際に住んでみて感じていることなど、お施主さまの率直なご意見です。
下荒田_Uさま邸
ご夫婦2人暮らしのUさま。築6年半になります。息子さんの独立後、東京から鹿児島に引っ越されるタイミングで新居を建てられました。
もともとお持ちだった40坪の土地に20坪のコンパクトな平屋です。
「最初は、家は大きいほうがいいって思い込んでいたんですね。でもいろいろ見学させてもらって、大きくなくていいんだと気づきました。このサイズでも、なにも不自由はありません」
Uさまが弊社を選んだ一番の決め手は、間取りでした。中庭を囲む“コの字”型です。Uさま邸は場所柄、周りを住宅やマンションに囲まれています。常に周囲からの視線があるため、通常の間取りでは窓をとってもカーテンを開けられない家になってしまいます。
そこで、外に閉じ、内に開きました。中庭です。
「中庭から光が入って明るいし、住宅街なのに緑をのんびり眺めていられる。嬉しいですね」とご主人。
「大きな洗濯物を干すのにもいいんですよ。毛布やシーツはしっかり日に当てたいでしょう?そんなときは中庭を使います」と奥様。
その中庭に隣接してリビングがあり、リビングにはお二人のお気に入りの造作ソファがあります。座面の広さ、高さ、クッションの弾力、カバーの色まで全てオリジナルのソファです。
腰が沈みすぎないよう、クッションは固め。ごろんと横になれるくらい、そして立ち座りが楽なように座面は広く、高めに。リラックスされたいとき、奥様はよくソファに座られるそうです。
「テレビを見たり、天気のいい日は窓を全開にして庭を眺めたり、気持ちいいですね」
住んでからの印象的な出来事を尋ねると、アフターメンテナンスにまつわる2つのお話を聞かせてくださいました。
1つはカビのお話。もともと湿気の溜まりやすい土地だったそうで、寝室や和室の壁にカビが来ることに悩んでいたそうです。アフター担当の坂元がキレイにしても、またすぐ出てきてしまう。そこで、問題のある壁を“漆喰”で塗替えることにしました。
「そこまで考えて、対応してくれるんだと嬉しくなりました。漆喰に塗り替えてから、カビはピタッと来なくなりました」
もう1つはダイニングテーブルのお話。Uさまは4人がけのダイニングテーブルをお使いなのですが、来客時などは少し手狭に。どうにかならないか?という相談を受け、弊社で制作したのが、現在お使いのテーブルに繋げられるサイドテーブルです。
「これが使い勝手よくて。実は家づくり中に、大きな造作テーブルの提案もあったんです。でも2人暮らしだし、小さくていいかと。来客時のことまで考えてなかったんですね。今思えば、さすが設計士さんだなと_笑」
〈これから家づくりされる方へ〉
「今の不便や、今の理想に目が行きがちですが、20~30年先まで考えることをおすすめします。私たちは老後のことを考えて、車椅子でも行き来ができるよう設計してもらいました。
あとはアフターサービス。建てたあともちゃんと気にかけてくれるところを選んでほしいですね。家のことは、私たち素人では分からないことが多いですから」
下荒田_Tさま邸
土地面積21坪。Tさま邸は狭小地に建つ3階建てのお家です。
ご夫婦と、13歳、8歳の兄弟の4人暮らし。家づくりのきっかけは、ご長男の誕生で、それまでのマンションが手狭になったことでした。
ご夫婦とも市内にお勤めで、子育てのことを考えても生活インフラの整った下荒田がいいと、この場所を選ばれました。
Tさま邸は2階リビングです。竣工した10年前では、まだまだ珍しかったはずですが、不安はなかったのでしょうか?
「ベガさんのお家を見学する中でしっかり説明もしていただきましたし、不安はありませんでした。おかげでリビングは日が入って明るいし、人通りを気にせずくつろげます」
弊社を選んでいただいた決め手は他に2つあるそうで、それが
・造作家具の収納
・木の空間づくり
ということでした。
「お家がコンパクトな分、色んな所に工夫して収納を付けてくれました。和室には布団をしまえる深い押入れ。デスクには本棚とプリンター用の収納を作ってもらい、どちらも隠したかったので扉をつけてもらいました」
テレビボードの下にはAV機器とCDや映像ソフトが全てしまえるよう、サイズを計算してもらって。ぴったりサイズの収納は気持ちがいいですね」
木製の造作家具で統一することで、自然と目に入る木部が増え、落ち着きある空間づくりにも一役買っています。
そして、木の空間づくりで忘れてはならないのが“無垢の床材”です。Tさま邸は杉板張りで、10年の年月の中で艶を増していました。
「踏み心地が柔らかくて気に入っています。子どもが物を落としたりして傷も増えましたが、それも含めて思い出深いです」
3階は子ども部屋。1つの空間を本棚を間仕切りにして、ご兄弟で使われています。子ども部屋とリビングは吹き抜けで繋がっていて、離れていても気配を感じられて安心です。
〈これから家づくりされる方へ〉
「土地が小さくても、それで諦める必要はないと思います。その土地にあった間取りや暮らしがあるはずで、それは設計士さんがきっと考えてくださいます_笑
土地の広さを理由に郊外で土地を探される方もいらっしゃると思いますが、利便性を優先したいときには諦めず、まずは相談されることをおすすめします。